

1992年、サンダンス映画祭で上映された
1本の低予算映画が熱狂を巻き起こした。
当時28歳の若手監督
クエンティン・タランティーノの
初長編作『レザボア・ドッグス』だ。
登場人物は黒服のギャング、題材は銀行強盗。
ありきたりなジャンル映画に思えたが
本作は“すべて”が違った!
冒頭から観客を飲み込む勢いで
繰り出されるギャングたちのムダ話、
時制を組み替えることで生まれる驚きと発見、
そしてこちらのテンションを
弄ぶようなプロットと
油断した瞬間に炸裂する衝撃的な展開……
大手メジャースタジオからは絶対に生まれない、
映画を愛する者たちによる、
映画を愛する者たちに向けた
“俺たちの映画”の登場は世界各地で絶賛を集め、
さらには本作を観た若者たちが
“自分たちの映画”をつくりはじめた。
現代の映画は“ここ”から始まったのだ。
日本では1993年4月の初公開以降、
“聖地”である映画館からは
長らく姿を消していた。
今回が30年ぶりの劇場公開となる。
いまも映画ファンに
愛され続ける6人の“イヌたち”は、
2024年の観客に
決して消えることのない
強烈な傷と衝撃を与えるにちがいない。

